産後の胸はなぜ垂れるのでしょう?
産後はしばらくパンパンのおっぱいも、
授乳の時期を過ぎ、卒乳すると胸が垂れてしまいます。
胸の形が変わってしまうと、「あ~ぁ・・」とつい言ってしまいそうになりますね。
産後のママの約75%が産後のおっぱいについて、
『ハリがなくなった』『しぼんでしまった』と感じています。
そしてほとんどの人がその産後の胸の形の変化は授乳のせいだと考えています。
ところが意外にも授乳は全く悪くないのです。
今回は産後の胸が垂れる本当の理由についてまとめてみました。
授乳が胸の垂れる原因?犯人は妊娠そのものだった!
少なくとも出産後に乳房の変化があった女性を対象にした調査では、
授乳は胸の形の変化の大きな要因ではありませんでした。
授乳をしていない女性も、産後に乳房に変化があったのです。
妊娠そのものが乳房のたるみと深く関係していることが分かりました。
ではなぜ妊娠すると胸がたるむのでしょうか?
妊娠期間中、乳房は大きくなっていき、皮膚と靭帯が引き延ばされます。
わずか妊娠6週から8週ぐらいでも胸のサイズが大きくなり、
妊娠が進むにつれて母乳を生成する乳腺葉と乳管が発達します。
妊娠中期の終わりには乳房は母乳を生成する準備ができていますが、
プロゲステロンの分泌によって、母乳が出るの抑制しています。
赤ちゃんが生まれると、プロゲステロンの分泌量が減り、
授乳ホルモンであるプロラクチンの分泌量が増加して、
母乳の生成が増えるのです。
そして授乳が終わる頃になると、乳腺退縮と呼ばれるプロセスを経て、
乳房にはそれまでと逆の変化が現れます。
まず、母乳を生成する細胞が自然消滅し、
それらの細胞つないでいた組織が再構築されて脂肪に置き変わります。
この組織の再構築はその後も閉経するまで継続し、
その頃になって胸がしぼんだことに気づく女性もいます。
つまり、卒乳や断乳後におっぱいが垂れるのは、
妊娠中に大きく重たくなったおっぱいを支えていた靭帯が伸びたまま、
乳腺組織がしぼむからだったのです。
ですから胸が垂れるからと授乳を躊躇するのは誤った思い込みなのです。
オキシトシンの効果で幸せいっぱい!
赤ちゃんがママのおっぱいをすればするほど子宮は収縮し回復していきます。
それは赤ちゃんが乳頭を吸うする刺激によって、
子宮の収縮に関係するオキシトシンというホルモンが分泌されるためです。
オキシトシンが分泌されることで、母親は赤ちゃんを愛おしく感じるようになり、
母性愛が強まるといわれています。
これがオキシトシンが『幸せホルモン』などと呼ばれる理由です。
また、愛情が深まるだけではなく、恐怖心や不安などが減少してストレスもなくなり、
精神的に安定する効果をもたらすこともわかってきています。
妊娠中はオキシトシンが大量に分泌され、産後もその高いレベルが維持されます。
また最近は女性だけでなく、赤ちゃんが産まれることで、
男性でもオキシトシンの分泌量が増加することがわかっています。
妊娠中、さらに出産後は授乳によってオキシトシンの分泌量が上昇する女性とは異なり、
男性のオキシトシンの分泌はより直接的です。
男性のオキシトシンの分泌量は、子供と遊んだり触れあったりすることによって、
高まることがわかっています。
つまり行動がそのままホルモンに反映されるのです。
父親が子育てに深く関われば関わるほど、父性本能が覚醒して、
その結果子育てを楽しむ父親になれると考えられています。
女性も男性も、オキシトシンは赤ちゃんを抱きしめたり、
赤ちゃんといっしょにいたりすることに反応して分泌されるので、
たとえ直接授乳ができない場合でもたくさんあかちゃんと触れ合って、
オキシトシンの効果を実感しましょう。
まとめ
ほとんどの女性が産後におっぱいが垂れると感じており、
その原因を授乳のせいだと考えています。
でも実は胸の変化の理由は授乳ではなく、
妊娠にあったのです。
授乳は『幸せホルモン』であるオキシトシンを、
効率的に分泌させることができます。
胸の形の変化は気にせずに、
いっぱいオキシトシンの恩恵を受けましょうね。