5月5日は、子どもや孫が迎える端午の節句。
しかし親族が亡くなって今は忌中・喪中という時に、
鯉のぼりや五月人形を飾っても良いのか、
悩んでしまうことがあるかと思います。
喪中のときに節句のお祝いをしてもいいのか?
鯉のぼりを飾ってもよいのか?
そんな疑問についてお答えします。
こいのぼりは喪中に飾っても良い?
親しい人が亡くなると、「喪中だから・・・」といいますが、
こいのぼりは喪中でも飾ってよいのでしょうか?
そもそも、喪中とはなんでしょう?
「喪に服す」とよく言いますが、身内の死があったとき、
一定期間自宅にこもって身を慎みます。
この期間のことを「忌中(きちゅう)」「喪中(もちゅう)」といいます。
忌中は不幸のあった日から始まって、仏式なら49日間、神道なら50日間。
喪中は、宗教を問わず、不幸のあった日から一年間とされることが多いです。
喪中とは、自分にとって大切な人が亡くなったことに対して、
お祝いごとなどに距離をおく意味があります。
忌中とは神道の考えで、神社などの聖域に穢れを持ち込んではいけません。
ここで言う穢れとは「人の死」のことです。
この忌中の間は、神社の敷地に入ったり、
参拝したりしてはいけないことになっています。
つまり、お宮参りや七五三、安産祈願などはダメということです。
端午の節句は「お祝いごと」ではなく「子どもの成長を願うこと」です。
忌中の期間でも、節句は基本的にしても大丈夫となります。
喪中期間は、自主的に喪に服す期間とされています。
自分は十分に故人のために喪に服した、という事であれば、
忌中を過ぎたら通常通りの生活をされる方もいます。
喪に服していないことは悪いことではありません。
「悲しい気持ちを乗り越えた」ことになるからです。
つまり、お祝いごとに距離を置くのは、自己判断となります。
では、こいのぼりや五月人形は忌中・喪中期間に飾ってもよいのでしょうか?
五月人形、兜、鯉のぼりなどの節句飾りは、
基本的には飾って問題がないとされています。
親戚や近所の方など、しきたりを気にされる方がいる場合、
こいのぼりは外に大々的に飾るものである場合は控えることが多いようです。
しかし、家の中で飾れる鎧兜や五月人形だけであれば、
問題ないと考えることが現在は主流です。
“あそこのお宅は忌中(喪中)なのにこいのぼりを飾るなんて、常識はずれなのでは?”
なんて思われてしまうかもしれないので、静かに、身内だけでするのがよいでしょう。
そして飾った後の鯉のぼり、どうやって片づけたら良いのだろう?と困っていませんか?
高価なものなので、丁寧に使ってなるべく長持ちさせたいですよね。
そこで鯉のぼりの片づけ方についてまとめてみました。
片づける時期や片づけておくのに最適な場所だけでなく、
洗濯機で回してしまっていいのか?
アイロンでしわを伸ばしていいのか?
などについても解説していますので、是非読んで片づけてみて下さい。
きっと来年も綺麗な状態で空を泳いでくれますよ^^
鯉のぼりの洗濯はどうしたらいいの?
こいのぼりってなんで飾るの?そもそも端午の節句とは?
端午の節句は、五月人形や、こいのぼりなどを飾って
男の子の成長を願う年中行事の一つ。
もともとは江戸時代には一族の繁栄を祝う行事として、
武家の間でお祝いされていたものです。
武家中心のお祝いだったこともあり、鎧兜を飾る風習
などがその頃に生まれました。
鎧兜には、強くたくましい男性に成長するようにという
願いが込められています。
さらに、身を守ると言う意味もあり、男の子を事故や病気
災害などから守るという願いもあるのです。
また、端午の節句といえば鯉のぼり。
こいのぼりの由来も江戸時代まで遡ります。
江戸時代、武家では男の子が生まれると、
その家の家紋が入った「のぼり」などを立てていました。
はじめは武家で行われていましたが、江戸時代中ごろになると町人にも広がります。
町人のあいだでは、コイの「登竜門」の伝説にちなんで、
「どんな環境にも耐え、立派に成長するように」と
立身出世を願って鯉のぼりを飾るようになったようです。
こいのぼりのコイははじめ、黒色のコイだけだったそう。
時代を経るにつれて技術が発達していき、
さまざまな色のコイが作られるようになりました。
コイの色にも意味が込められていて、
- 黒・・・大黒柱である父親
- 赤・・・生命を担う母親
- 青・・・成長していく子供
をあらわしているそうです。
このように、兜には「強くたくましい男性に成長するように」と、
こいのぼりには「立身出世」という願いが込められていて、
端午の節句というのは男の子の成長を願う行事なのです。
まとめ
冠婚葬祭のしきたりは、地域や家の習慣、風習などによって様々で、
絶対にこうするべきというものはありません。
忌中・喪中でも節句のお祝いをする人は多くなってはいますが、
身内の誰かが忌中や喪中であることを気にしていたり、
悲しみでお祝いの気分ではないという人もいますから、
そういった方への配慮は必要です。
端午の節句は子供の成長を願う行事なので、喪中でも特に控える必要はありません。
親戚や周囲に配慮しつつ、自分たちなりに子どもの成長を願うため、
どうしたら良いかよく相談してから決めると良いでしょう。